ウオーターフットプリントNEWS

●(社)エコ食品健究会×東京都市大学(2012年12月1日)

東京都市大学(旧:武蔵工業大学 学長:中村英夫)環境情報学部 伊坪徳宏准教授研究室では、このたび、一般社団法人エコ食品健究会(代表理事:久保正英)、三井化学株式会社(社長:田中稔一)と協力し、3種類の農法で栽培された野菜の生産から加工までに使用・消費される水の量(ウォーターフットプリント)を算出しました。その結果、「自然栽培農法」が最も水の使用量が少ないことが明らかになりました。2012年12月13日から開催される「エコプロダクツ2012」(主催:社団法人産業環境管理協会、株式会社日本経済新聞社)で、調査内容の詳細を展示いたします。
 
 算出には、産業関連表を基に、伊坪准教授が日本で初めて開発した「水消費原単位データベース」を使用して実施しました。生産過程では、1kgの農作物(トマト、ナス)の生産にかかった水の消費量(リットル)を、3つの農法別(肥料や農薬、除草剤を使用しない(1)「自然栽培野菜」、有機肥料、一部農薬、除草剤を使用した(2)「有機栽培野菜」従来の化学肥料、農薬、除草剤を使用した(3)「慣行栽培野菜」)にそれぞれ算出し、比較しました。水分をより多く含むトマトの算出結果では、(1)「自然栽培野菜」が(2)「有機栽培野菜」と比較し約29%、(3)「慣行栽培野菜」と比較し約43%と、水の消費量が最も少ないことが分かりました。
 
 加工過程では、三井化学東セロ株式会社が製造した鮮度保持フィルム「スパッシュ」の利用者約2700名にアンケートを実施し、3つの農法で栽培された野菜に対して、「スパッシュ」がどの位鮮度保持効果があったかを調査しました。結果、慣行栽培農法並びに有機栽培農法において約70%の利用者が従来品よりも「スパッシュ」の鮮度保持効果が高いと回答しました。これより野菜の廃棄物低減に寄与することが推定されるので、その分の野菜の栽培にかかる水の削減に繋がることが予想されました。
ウォーターフットプリントとは、原材料調達から生産、廃棄、リサイクルまでの商品一生分の水使用量を算出し、水資源への負荷を定量化する手法で、この計算に水消費原単位が使われています。水資源の乏しい欧州諸国などでは既にその原単位データベース化が進んでおり、日本でも、一昨年伊坪准教授による国内初のデータベースが誕生し、企業間で水利用の研究会が発足するなど、水資源保全に配慮した水利用のあり方について意識が徐々に高まりつつあります。
 
 国際標準化機構(ISO)でも、ウォーターフットプリントの規格化を進めており、国内外の企業・生産者に対し、環境配慮がますます求められている中、特に水の使用量が多い農作物に関して調査を実施いたしました。

 

詳しくはこちら↓

http://www.goto-ikuei.ac.jp/50press/2012/2012-1213-1401-15.html

●資生堂(2012年11月22日)
・「フルメーク ウォッシャブル ベース」の環境対応について
資生堂は、「フルメーク ウォッシャブル ベース」を使うことによってクレンジング料が不要になるという特長から、化粧下地から洗顔料まで一連の化粧行為における環境負荷低減度を算出しました。具体的には、従来型の化粧行為と「フルメーク ウォッシャブル ベース」を使った化粧行為※5を行った場合を想定し、ウォーターフットプリント※6の手法を用いて商品のライフサイクルを通じた水消費量の算出を試みました。その結果、1回の化粧行為あたり約1.6L※7の水消費量を削減※8できることが分かりました。

※5 従来型の化粧行為と「フルメーク ウォッシャブル ベース」を使った化粧行為
◆従来型の化粧行為
 化粧下地→ファンデーション・ポイントメーク→クレンジング料→洗顔料
◆フルメーク ウォッシャブル ベースを使った化粧行為
 フルメーク ウォッシャブル ベース→ファンデーション・ポイントメーク→【お湯で洗い流す】→洗顔料

※6 原材料調達から生産、廃棄、リサイクルまで、商品のライフサイクル全体を通じた水の利用と、それに伴う環境・社会的影響を定量的に評価する手法。原料となる植物の栽培や製品の製造工程に使われる水など、直接・間接的に投入される全ての水を対象とします。
※7 本商品1本(35g)に換算すると約90L(500mLペットボトル×約180本分)を削減できる試算です。
※8 本算定結果は、東京都市大学環境情報学部 伊坪徳宏准教授による第三者検証を受けたものです。この数値は、お客さまのご家庭における水使用量を比較したものではありません。

詳しくはこちら↓

http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000005794.html

●凸版印刷(2011年12月14日)
凸版印刷では、製品を生産することによる環境への負荷を低減するため、製品の原材料調達から生産、流通、使用、廃棄・リサイクルなどライフサイクル全体にわたって、資源の利用や化学物質の排出などによる環境負荷を定量的に評価するLCAに取り組んでいます。環境への負荷を表す指標としては、地球温暖化の原因といわれているCO2排出量を表示するカーボンフットプリント(CFP[※3])が注目されていますが、環境への負荷を低減するためにはCO2排出量だけでなく複数の環境指標を評価する必要があります。凸版印刷では2008年度よりLIME手法を検証し、2010年より導入、CO2をはじめとする複数の環境指標を統合的に評価してきました。LIMEとは、生産などの活動が人間の健康や生物多様性などの領域に与える被害量を算出し、複数の環境影響を網羅的に把握する日本版被害算定型環境影響評価手法です。凸版印刷では、電子レンジ用発熱シート「サセプター」をはじめとする複数の製品でLCA評価に取り組み、環境負荷の低減に努めています。

 

詳しくはこちら↓
http://www.toppan.co.jp/news/2011/12/newsrelease1296.html