LCAの手法

 LCAはISO14040/44にて、「目的・評価範囲の設定」「インベントリ分析」「影響評価」「解釈」 の4つのステージから構成されるとしています。
具体的には次の通りです。
 
・目的・評価範囲の設定
 システム境界と機能単位、評価する環境負荷を決め、評価の目的を明らかにする段階です。システム境界は、評価するプロセスとその範囲のことです。機能単位とは、評価する単位です。
機能単位の設定は、「レトルトカレー1袋の製造」のように、製品や商品単位だけではなく、「人一人が201km移動」のようにサービス単位を設定することも可能です。

 

・インベントリ分析
 決定されたシステム境界内の製品のライフサイクルにおいてエネルギーや材料などがどれだけ投入され、また排気ガスや廃棄物等の環境負荷物質が、どれだけ放出されたかを分析することです。

 

・影響評価
 様々な環境負荷(温室効果ガス、大気汚染物質、水質汚濁物質)を、環境影響に換算(これを特性化という)することです。設定された目的と、評価範囲の投入排出項目をみて、適切に環境影響領域を選択することが必要です。定量化された複数の環境影響に重み付けを行った上で足し合わせ、統合化することもあります。重み付けをどのようにするかは立場や考え方によって異なるため、ISO規格において重み付けは必須要素に含まれていません。
 

・解釈
 以上の結果を踏まえ、個々の事業者の事業活動や生み出す商品毎に、環境負荷や健康負荷の「大きさ」が明らかになります。大きな要因から小さな要因が「見える化」されますので、その中で負荷の低減に取り組むべき順序と対策を、考えて実行していくことになります。